大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27年(オ)894号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人鍛治利一の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、上告人主張に係る煮乾いわし売買当時施行の臨時物資需給調整法はわが国における産業の回復振興に関する基本的政策及び計画の実施を確保するために制定されたものであり、同法に基く加工水産物配給規則(昭和二四年九月農林省令一〇〇号による改正前の同規則)は昭和二二年内閣訓令三号指定配給物資配給手続規程に従い右目的達成のため物資及びその需給調整方法等を特定し同規則二条によつて指定された煮乾いわし等の物資については法定の除外事由その他特段の事情の存しない限り同規則三条以下所定の集荷機関、荷受機関、登録小売店舗等の機構を通ずる取引のみの効力を認め右以外の無資格者による取引の効力を認めない趣意であつて、右法令は此の意味に於ける強行法規であると解されるから、此の点につき原判決に所論の如き違法ありと為し難く(論旨引用の大審院昭和二〇年六月二二日、同年一一月一二日各判決は右に抵触するものでなく又その他の判決は本件に適切でない)、その他の論旨はすべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例